研究のご紹介

  • 老年・在宅看護の提供基盤の強化

    看護小規模多機能型居宅介護施設の特長を活かした在宅ケアの促進

    看護小規模多機能型居宅介護(看多機)は,「通い」「泊り」「訪問介護」「訪問看護」を柔軟に組み合わせて提供される地域密着型サービスで, 今後の日本において, 高齢者を地域で支えるために, 欠かせないサービスとなってきます. 当分野では, 看多機において, その特長を活かしたどのようなケアが提供されているかを明らかにし発信するとともに, 看多機における課題の解決や今後の発展に寄与したいと考えています.

    現在は, 看多機における看取りと遺族ケアに関する研究を行っています. 全国の看多機でケアに従事されている皆様へのインタビュー調査への協力者を募集中です.

    日本で働くインドネシア人看護師・介護福祉士における認知症ケア実践のための支援環境の整備

    日本で働くインドネシア人看護師・介護福祉士の方々のほとんどは自国において認知症ケアの経験を持っていません. 当分野では異文化において外国人ケアワーカーがパーソン・センタード・ケアを実践できるための支援の環境整備について取り組んでいます.

  • 在宅看護技術の確立

    在宅における死亡確認に関する看護プロトコールの開発

    多死社会の到来を踏まえ, 療養者およびその家族が在宅死を希望し早晩死亡が予測される事例について, 死亡時の看護の過程と支援内容から看護プロトコールの生成に取り組んでいます. 今後は, 順次, 施設看護におけるプロトコール開発へ展開予定です.

    「情報通信機器(ICT)を利用した死亡診断等ガイドライン」(厚生労働省, 2018)について, 分かりやすく説明したパンフレットを作成しました. 訪問看護師等, 在宅ケアに携わる方々が療養者・ご家族の方, 市民の方にご説明する際にぜひご活用ください.

  • 睡眠ケアの開発

    家族介護者の就労と睡眠および生活の質

    就労しながら介護を担う家族に対して, 睡眠ケアの観点から介護離職を回避し, 仕事と介護を両立できるための支援について取り組んでいます.

    訪問看護師が把握している在宅要介護高齢者の睡眠薬使用および副作用リスクの明確化

    在宅要介護高齢者の睡眠障害の把握方法, 不眠に対して行われるケア, 睡眠薬使用と副作用リスクの実態について検討し, 在宅における睡眠薬使用に関する課題の明確化に取り組んでいます.

    健康日本21(第2次)に即した睡眠指針への改訂に資するための疫学研究

    (「健康づくりのための睡眠指針2014~睡眠指針12箇条~」に基づいた保健指導ハンドブック作成)(厚生労働科学研究費補助金)

    保健指導の現場における睡眠に関する健康づくりを推進するため, 保健指導ハンドブックを作成しています. この手引きは, 保健師等, 睡眠の保健指導に携わる方々が, 健康相談や健康教育などの機会に活用することを想定して作成しました. どうぞご活用ください.

    講演会「からだの教室」の様子

卒業研究生の声

卒業研究では、ICD停止の話し合いを促進させる介入研究を対象としたシステマティックレビューを行いました。テーマの決定から論文の執筆に至るまで、先生方のご指導やゼミでのディスカッションを通して自身のテーマについての理解を深めることができました。また、その過程では、様々な課題への関心を広げるようなご助言や論文を精読する機会を数多く提供してくださるため、自身のテーマに関連した周辺知識を幅広く学ぶことができ、学問と研究の奥深さを実感できた貴重な経験であったと考えています。

宮﨑 大輔さん
(2021年度卒業研究生)

卒業研究では「配偶者を亡くした認知症高齢者遺族の周囲の家族の経験」というテーマでインタビュー調査を行いました。調査の準備や実施、分析は時間がかかり大変でしたが、先生方のサポートによって研究を進めることができました。また、ゼミでは他の卒研生の研究についても検討し、意見を交換することができるので、さまざまなテーマに関する最新の研究の動向などを学ぶことができ、さらに知識を深めることができました。

似鳥寧々さん
(2020年度卒業研究生)

卒業研究では、高齢者の介護予防活動への参加の要素をテーマに文献検討を行い、男女における違いを検討しました。テーマの選び方や研究方法など一つ一つ丁寧にご指導していただき、興味のあるテーマと向き合い研究を進めることができました。意見交換の場では、自分の研究について気づかなかった視点が分かり、より良い研究になったと感じています。また、他の人の研究からも多くのことを学ぶことができ、老年・在宅看護学分野で充実した時間を過ごすことができました。

横江里咲さん
(2019年度卒業研究生)

          
在宅でそれぞれの生き方を大切にしながら療養する方々を支える医療や看護に興味があり、卒業研究に老年・在宅看護学分野を選びました。私は研究テーマの決定や、分析自体にも時間がかかってしまいましたが、先生方は終始丁寧に、寄り添い、支えてくださいました。定期的なゼミと面談を通して、自分の考えや研究だけでなく、先生方や同級生の意見など様々な考えや知識を知り、自分の軸となる考えを深められました。既存の知識や技術を「使う」だけでなく、それを「築く」ための研究の意義と難しさ、やりがいに触れる充実した経験でした。

千葉柚紀さん
(2019年度卒業研究生)

卒業研究では、「サルコペニア危険度予測における指輪っかテストの妥当性及びフレイル評価における簡易フレイルインデックスの妥当性について」をテーマに、身体組成の測定や質問紙調査などを行いました。その中で、実際の調査に至るまでには測定項目や質問項目、必要物品の確認など、入念な準備が必要だということを学びました。また、データ収集の方法や分析方法についても、この研究を通してたくさん勉強させていただきました。在宅・老年看護学分野では、先生方が丁寧にご指導くださり、卒研生同士でも意見を交換する機会が定期的にあるので、非常に研究を進めやすかったと感じています。

吉田 奈央さん
(2018年度卒業研究生)

卒業研究では、「高齢者における、サルコペニアもしくはフレイルと睡眠の関係についての研究の動向」をテーマに文献検討を行いました。研究開始当初は、研究対象とする文献の選び方もその分析方法もまったく分かりませんでしたが、先生方が一から指導してくださり、また、私の中で抵抗感があった英語論文も一緒に読み込んでくださりました。さらに、自分1人では気づけない視点や様々な意見を聞きながら研究を進めることができ、自分が思い描いていた研究よりも良い研究ができたと思っています。

千葉 玲緒奈さん
(2017年度卒業研究生)

卒業研究では、「在宅・介護保険施設における死亡確認・死亡診断の現状に関する文献検討」をテーマに、医師、看護師、家族など、様々な視点からみた、死亡確認の現状について研究を行いました。在宅・老年看護学分野は、和やかな雰囲気で、自分の意見を表現しやすい研究室。自分が興味のあるテーマについて研究することができただけでなく、様々な意見に触れ、非常に貴重で充実した時間を過ごせました。そのため、研究開始当初、自分が思い描いていたものよりはるかに深みのある研究ができたと感じています。

後藤 真子さん
(2016年度卒業研究生)

卒業研究では、在宅医療におけるITをテーマに、ITの活用方法の類型化のための文献検討を行いました。自分が学びたいことや知識を深めたいこと、研究してみたいことをテーマにすることができました。そのため、研究に対して意欲的に取り組むことができたと思います。一人一人に多くの時間をかけて指導していただき、自分の論文だけでなく、同じ研究室の学生の卒業研究も自分の中で考察することができたことは、研究室の良さだと思います。また、卒業研究にとどまらず、継続的に研究に携わる機会を頂き、老年・在宅看護学分野で学ぶことで、研究の重要性や楽しさを知ることができました。

関 祐介さん
(2016年度卒業研究生)

私は、在宅看護という住み慣れた自宅で療養する方やその家族への看護に興味を持ち、さらに研究を通して理解を深めたいと思い、老年・在宅看護学分野で卒業研究を行うことを決めました。卒業研究では「在宅認知症患者の家族介護者の介護経験に関する男女差の検討」について取り組みました。先生方のご指導や同じ研究室の学生の意見もあり、より深く研究できたと思います。また、学会発表の機会も頂き、より多くの意見が聞けたり、周りの研究発表を聞くことでさらに関心を持つこともできました。さらに、卒業研究を発展させて学術雑誌に投稿し、採択されました。ここでの経験を通してさらに在宅看護について学びたいと思うことができました。

金子 智絵さん
(2015年度卒業研究生)